Fリーグ2019-20シーズンの新人王に選ばれたのは、バサジィ大分のGK岩永汰紀だった。大分のレギュラーシーズン最少失点にも大きく貢献した22歳の守護神は、プレーオフでも大活躍を見せ、準決勝を勝ち抜ける要因ともなり、決勝の第1戦での2-2のドローも演出した。

だが、その第1戦を戦ったことで、名古屋の選手たちは岩永の弱点に気づいていたという。この試合、先制点を含め、2ゴールを挙げたFPラファは、日本代表FP吉川智貴が選手たちにアドバイスを送っていたことを明かした。

「今日、私たちのシュートはほとんどが下を狙っていたと思うのですが、(吉川)智貴選手が指示を出していたんです。」

自身が決めた先制点の場面も、「(岩永は)腰から上のシュートを止める技術は、本当に素晴らしい。上のシュートに対しては本当に強いので、左下のコースをインステップで狙いました」と振り返っている。

決勝第1戦のあと、岩永自身は大分の守り方について、下のシュートコースはFPが消して、上にくるボールに対応する狙いがあると明かしていた。だが、第2戦の名古屋はFPがマーク似付き切れない早いタイミングでシュートを岩永の足元へ蹴りこんでいった。

名古屋のGK関口も、吉川と同じ課題を逆側のゴールにいるGKに感じていたという。

「僕が上から言えるような選手ではないのですが」と前置きしつつ、「一つ感じたのは、岩永選手はかなりうまいと思うんです。手が出やすい選手なので、もう少し足を使えるようになれば、かなり伸びるのではないかと思います」と指摘した。

そして、先制点の場面を振り返り「あれも全部、手でいっていたので。上には強いけど、下はちょっと……というところが、そんなに全部を見ているわけではないのですが、対戦して僕が感じたのはそこですね。もう少し足を使えれば、本当に素晴らしいGKじゃないかと感じます」と、強調した。

試合終了とともに、「試合を壊してしまった」と、涙を流して悔しがった岩永。来シーズンには負傷したGK矢澤大夢も復帰し、チーム内のポジション争いも激化するはず。この試合で見えた課題を乗り越えられるかは、正GKのポジションを維持するためのポイントにもなるはずだ。

発信元:FUTSAL X

元記事リンク:https://www.futsalx.com/view/426

おすすめの記事