【関東参入戦】知名度の高い相手を逆手にPK戦を制したフェニックス横浜FP喜平聡「過去の対戦経験が大きかった」

[2.23 関東参入戦 栃木シティ 5-5 PK5-6 フェニックス横浜 春日部]

第22回関東フットサルリーグ1部・2部参入戦の2回戦で、フェニックス横浜(神奈川)は栃木シティフットサルクラブ(栃木)と対戦した。

かつて名古屋オーシャンズやペスカドーラ町田など、Fリーグクラブで活躍した選手がズラリと並ぶ栃木に対し、横浜は後半に入って2度のリードを奪われた。それでもそのたびに追いつくと、走力の落ちた相手から立て続けに3点を奪って一時は2-5と3点をリードした。

その後、栃木のパワープレーから同点に追いつかれて、PK戦へ突入した。昨年も参入戦の2回戦まで勝ち上がりながら、同じ舞台でPKで敗れていた横浜だったが、今年はキッカーを務めた6人全員がゴールを決め、6-5で勝利し、3月1日の入れ替え戦に進出した。

見事なカウンターからチーム5点目を挙げ、PK戦でもゴールを決めたキャプテンのFP喜平聡は、GK遠藤晃夫の守り方を把握していたことを語る。そして、「ただ、次に負けると意味がない」と、3月1日に行われるプログレス甲府との試合に切り替えた。

以下、試合後のFP喜平聡のコメント

――大きな話題となっていた栃木に勝利しました。
喜平 1回戦に関しては入りの部分で緊張がありました。昨日、1回戦を経験したことが大きな要因かなと思います。昨日の試合でみんな大会の雰囲気に馴染むことができて、次に栃木に勝つという目標が明確になりました。もうやるしかない状況したからね。

僕らは去年、2回戦に進出してPK戦で負けていました。1年1年、一つひとつ階段を上ってきているなということもあり、PKでここを勝てたことが、僕としても、フェニックスとしても、一つ成長できた部分だと思います。ただ、次に負けると意味がないので、しっかり勝って上にあがり、関東リーグに僕自身も戻れるようにやっていきたい。1週間しっかりトレーニングして、そこに向けていきたいと思います。

――5-2とリードしてから立て続けに失点しました。すでにタイムアウトを取っていたこともあり、立て直すのが難しいかと思いましたが、よく耐えましたね。
喜平 そうですね。正直、どこまで行くんだろうというのはありました。僕自身、ケガしていた部分もあったんです。ピッチに入れれば、もう少し落ち着かせることができたのですが、それができずに外からコーチングすることしかできませんでした。それでも、彼らはキャリアがあるので、突いてくるところはスタンディングで回していてもうまいですし、よく耐えてくれました。5-5でしっかり耐えてくれたなというのが正直な感想です。チームのメンバーの頑張りに尽きると思います。

――切り替えの遅さ、後半のスタミナが落ちる部分、栃木にも突け込むところは大きかった?
喜平 前半を戦っていて、相手がうちのペースに付いてこれなくなっていました。走力戦だと、向こうは走れません。簡単にピヴォに当ててきて、ピヴォが一枚で勝負するか、もう一枚がくるのかしかありませんでした。うちは走力の勝負となったら、負けない自信がすごくありました。そのためにも、前半は0-0で終えたかったですし、それができたのが最大の勝因だと思います。あの0-0の状態で後半を迎えれば、相手はバテていたので、もう一つギアを上げれば勝てると思っていましたし、そこで勝てたのが大きかったです。最終的にパワープレーで追いつかれたのですが、そこまでに点差をつけることができたので、同点で追われました。最後にPKになったのは、神様のいたずらかどうかわかりませんが、「君たち、乗り越えたら、いけるよ」ということだったのか、またPKでダメなら昨年と同じなのか、それは自分たちの実力が問われたのかなと思います。

――やはり注目は集まりますが、こういう栃木のようなチームの出現に関してはいかがですか?
喜平 ほとんどのメンバーが知っている人ですし、最初は「マジか」と思いました。でも、選手権の関東大会の話を聞いたり、映像を見たりして、やっぱり個人はうまいけど、チームとしてまとまっていない印象があったので、突け入るスキがあると思いました。はじめはうちのチームも、ネームバリューに負ける部分があったんです。「栃木かぁ」って。でも、映像を見た時に「勝てるぞ」という思いが芽生えたんです。僕らだったら、走って勝てる。球際で強くいけば嫌がる。それでチームとして連動して走っていけば勝てるという考えがチームに芽生え始めました。それが良い方向に出たのが正直な話です。昨日の美少年のように蹴ってくる相手だと、うちのチームは付き合ってしまう傾向にあるんです。それにネームバリューのある相手の方が「倒したい」という気持ちになるんですよね。「ジャイアントキリングを狙おう」じゃないですけど。

――正直に言うと、昨日の試合を見ていたら「これは杤木に勝つ可能性はないな」と思っていました。
喜平 そうですよね(笑)。全然、違いましたよね。それに、「この会場の雰囲気を俺らのものにしよう」「俺らのものにしたい」というのがあったんです。うちのチームは生ものというか、若いチームなので、昨日と今日で打って変わるんです。でも、今日、ここで栃木に勝てたことは、本当に次につながると思いますし、来週は死ぬ気で、もう一つギアを上げてトレーニングして、なんとか昇格してシーズンを終わりたいと思います。

――1対1で仕掛けて、体の大きな外国籍選手をちぎって、そのたびに自信を持っていく印象がありました。
喜平 そうですね。前半にマッチアップした時、そこでだいたい特徴はつかめていたんです。『カットインしてくるな』というのが分かりましたし、その前にインターセプトを狙いました。前半はそんなに仕掛けていなかったので、ディフェンスから仕掛けてやろうと思い、後半は2本、相手のボールを奪った形でゴールを挙げることができました。

――終盤はチームのシュート精度が落ちてきて、難しい展開になりましたね。
喜平 僕たちの課題はそこの精度なんですよね。そこから相手にパワープレーもされたので、余計に流れも悪くなりました。一本でもパワープレー返しを決められたら、楽になったんでしょうけどね。シノ(篠崎)に3点取られたことは悔しいですね。隙を突いてくるところが。

――喜平選手の5点目のゴールも重要でしたね。本当によく走って決めました。
喜平 僕、43歳ですよ(笑)。参入戦前に足首も負傷していたので、出場時間を限定してもらったのですが、やる時はやらないと(笑)。

――あのカウンターは鮮やかでした。
喜平 はい。あれは、やるしかないと思っていたし、自分がヒーローになりたいなと思っていたんで(笑)。

――ボールを奪った相手の選手は、それまでサッカーで活動している選手でした。最後にPKを外した栃木の選手は一度も出ていないサッカーの選手だったんですが、あれは難しいですよね。
喜平 難しいですよね。あとPK戦では、GKが遠藤くんだったのも、僕らとしては良かったです。全然、動かなかったので、とにかくコースを狙えばいいと。

――なるほど。
喜平 過去に対戦したことがあったのが大きかったですね。『GKは動かないから、コースを狙って、速いボールを蹴りこめば絶対に決まる』って伝えられたので。

――その通りに全員が決めましたね。
喜平 そうですね。でも、今日勝って、このインタビューではなくて、次のプログレス甲府戦に勝ってインタビューを受けたいですね。もう一つの山が、AOHなのですが、僕たちは練習試合で快勝していたので、「そっちの山だったら自信を持って臨めたなー」なんて話していたんですけどね(笑)。

――でも、今日の試合は勢いがつきましたね。
喜平 付きました。本当に嬉しいです、今。とにかく今日で終わらず、次の試合に勝てるように頑張ります。


発信元:FUTSALX

元記事リンク:https://www.futsalx.com/view/444

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